向かいのお兄さん
第20章 あたしもね
あたしの呼び声に振り向いた直也の肩を
あたしは掴んで
引き寄せて
そっと
キスした
「み…さ…」
あたしから
初めての
直也へのキス
『…あたしの、気持ち///』
すぐ唇を目の前に、呟いた
直也はあたしを
ギュッと抱きしめて
「早く行けって!!///」
真っ赤な顔をさせながら
あたしの背中を押した
あたしは最後にもう一度直也を見て
少しほほ笑んで
車を降りた
―――――――
バンッと扉を開けると、もう席は
ほぼいっぱいで
あたしはすぐに決められた席に着いた
少し周りの視線が痛かったけれど
そんなこと気にしない
「―――それでは試験を始めて下さい」
あたしの肩を越して
いつも直也は
見ていてくれるから…