向かいのお兄さん
第21章 神さま
走った
あの白い廊下を
走った
窓の外は
また真っ暗だったけれど
全然気にならなかった
途中で看護師さんに注意されたけれど
構わずに走った
エレベーターを待つのが
まどろっこしかった
だから階段を駆け上がった
あたしも和樹も全力で走って
直也の病室の前に着いた時には、もうヘロヘロだった
『はぁ…はぁ…』
「はぁ…えっら…はぁ…」
あたしは扉の取っ手に手を掛けて
ゆっくりと開いた
『…直也…』
ベッドの縁に腰掛けて、医者に診てもらっている直也が
目に飛び込んだ