向かいのお兄さん
第24章 今この時間
『あたしが前に座ってね…!!』
お尻を下げて、背中を直也にピッタリくっつけると
自分のノートを目の前に持ってくる
『こうやって…いっつも勉強、教えてくれたんだよ…!?』
「…」
何か返事が
欲しかった
『直也、甘えてきて…あたしに腕回してくれて…』
あたしは直也の手を掴むと、無理矢理あたしの身体を抱きしめさせた
直也の手は
どうしても離れようとする
『肩に顎乗せて、あたしの勉強見て…』
「…」
『日曜日は絶対…直也の家行って…』
「…」
『…』
わかってた
直也からしたら
あたしは他人で
他人からそんなこと押し付けられたところで
ただ迷惑なだけだって…