向かいのお兄さん
第24章 今この時間
「よし、じゃあ俺が家まで送ってやるよ!!」
和樹は張り切って、車のキーを取り出してみせた
「俺の家知ってるの!?」
「当たり前じゃん、これでも付き合い長いんだから」
それがさも当たり前、という感じで言う和樹に
直也は申し訳なさそうな顔をした
『直也』
そんな顔やめろ
と注意すると
直也はさらに落ち込んだ
『もう』
荷物の整理などを済ますと、あたしたち3人は病院を出た
久しぶりに外の空気を吸った直也は
どこか清々しそうだった
車を走らせてほんの10分
あたしたちの前には、見慣れた風景が広がった
そこをずっとまっすぐ進み
直也のマンションに到着した