向かいのお兄さん
第5章 日曜日にまた
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「―――ではこの単語の意味、松浦さん」
『…』
あたしは黙秘した
裁判みたいに黙秘で通せるなら、どれだけいいだろうな
「松浦さん、意味はー?」
『よ…予習出来てません…』
「立っときなさい」
その日の英語の時間、あたしは立たされた
何で
あたしが
こんな目に…
――――――
――――――
夜の9時
♪~ ♪~ ♪~
『…』
あたしは黙って、鳴り響く携帯を手に取った
ピッとボタンを押して、耳に当てる
《よ、お前昨日勝手に電話切ったろ》
『…』
《まだ感想聞けてないんだから、教えろよ》
『あ…』
あたしは、携帯をへし折らんばかりの勢いで握り締めた
『あんたのせいで昨日予習出来なくって
今日の授業で立たされたじゃんかぁああああ!!!!
どうしてくれんの慰謝料払え馬鹿野郎!!!!!!』