向かいのお兄さん
第5章 日曜日にまた
《…え、予習出来なかったの?》
『そうですよそうですよ、言ったよね、テスト近いって!!
邪魔しないでよ、ハゲ!!!』
あたしはその場でじだんだを踏んだ
今この足元に直也がいたなら、どれだけ爽快だろう
《テストか…それは悪かった、ごめん》
『…』
意外と、素直に謝るんだな…
《でも、たかが30分程度のオナだろ?
時間的には余裕で勉強出来たんじゃないの?》
『疲れて寝ちゃったんだよ!!』
《疲れて寝るほどとか、どんだけ激しかったんだよ》
ああ言えばこう言う奴って嫌いだぁぁぁぁ
『もう金輪際関わらないで、じゃあ切るから』
あたしが携帯を耳から離すと、《あああ、待て待て待て》と聞こえてきた