向かいのお兄さん
第6章 触りたいじゃん?
ぴちゃ…クチュクチュ…
「美咲の首…赤くなってきた」
お前が吸うからだろ~
「すげぇうまぃ…」
美味しくねーよ、あんた人間食ったことあんのかよ
『は…く…///
あ』
あたしは手を止めた
またもやわからない問題に直面したのだ
『ぇ…と…』
レロレロレロレロ…ぷちゅう
『…わ…』
わかんないよ~
ってか後ろの奴、そんなことしてないで勉強教えろコラァア
『まっ…て!!///』
あたしは体を傾けて、直也の舌から離れた
直也は少し不機嫌そうな表情を見せる
『ここ、教えて』
あたしは問題集を指でトントンと叩いた
「…はいはい」
直也はあたしの肩に顔を乗せ、後ろから問題を眺めた
直也の髪が、頬に触れてくすぐったい
どこかいい匂いまでするんだから、ずるいもんだ
「ここ、足し算間違ってる」
『え、あ…ほんとだ』
「ちなみに、出た答は①じゃなくて②に代入だから」
『は…はい』
なんだお前は
人間そこまでギャップがあるのか