向かいのお兄さん
第42章 お正月
『ごちそうさまでしたー』
「ごちそうさまでした」
直也の手元を見ると、おせちは綺麗さっぱり無くなっていた
「舌噛まれるのは嫌だからな」
『えー美味しかったからじゃないの~?』
あたしがニヤニヤすると、直也は
「はいはい、初詣行こう」
と、話を逸らしてしまった
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また防寒着を着て、今度は二人で神社に向かった
「うわー、人いっぱい」
さすがにこの時だけは、普段はすっからかんの神社も人で賑わっていた
『だね。はぐれるなよー?』
「どっちが」
直也はあたしの手を握ると、参拝の列に並んだ
あたしもその手を握り返して、寒さを凌いだ