向かいのお兄さん
第42章 お正月
「見てみ、俺の"待ち人"、"目の前にいる"だってさ。当たってんじゃない?」
嬉しそうにひけらかすので、あたしも"待ち人"を見てみた
『…"来ず"』
「あれ?」
『何これ、外れてんじゃないの?』
もうかなり投げやりだ
末吉が出た時点で、あたしはおみくじなんて信じない
「それ、待ち人はとっくにいるってことでいいじゃん」
ホレホレと、直也は自分を指差す
『そのポジティブ思考、ください』
「無理」
軽くため息をつき、他の欄も見ていった
願い事
努力次第で叶うわけではない
失せ物
出る。頻繁に出る
『末吉クソボロじゃん…』
恋愛
自らが動かなければ、解決しない
『…』
今さら何を解決しろってんだ
「あれじゃね?
エッチは自分で身体を動かせってお告げじゃね?」
『黙れ、控えろ』
「俺の恋愛は…"流れに身を任せれば良し"だってさ。
これからは美咲に動いてもらっとけばいいってことか?」
『何で話をそっちに持ってっちゃうわけ?』