向かいのお兄さん
第51章 甘い形で示したい
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直也は仕事を終えると、マフラーやらジャンパーやらを着込んだ
今日は土曜だし、明日は美咲でも呼んでグータラしようかな…
なんて考えながら作業場を出ると、美咲の家の前に見慣れない車が止まっていた
「…」
特に気にも止めずに、帰路につく
何となく
明日は絶対、美咲を呼ぼうと思った
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「はい美咲ちゃん、材料はちゃんと買ったかなー?」
『買ったともー!!』
変なテンションのまま、雅也と美咲はパチパチと手を叩いた
美咲の家の台所には、チョコやクリーム、砂糖など
いろんな材料が並べられている
いやぁ、雅也さんにこんな長所(パティシエだったとは…)があるなんて知らなかったなぁ
あたしは雅也さんの方に顔を向けた
『この度はありがとうございます、あたしのお菓子作りに協力してもらって…』
「固い固い固いっ
もっとリラックスしよーぜ」
雅也さんがニコッと笑ってみせると、あたしもつい笑ってしまった