向かいのお兄さん
第7章 はじめまして
『待って、意味わかんない』
あたしは夜食にと取っておいたビスケットを口へ運んだ
《だからー次の日曜、俺ん家来いよ》
『何で?』
《何でも》
『やだね』
どうせエッチなことしか考えてないんだ
わかっていて誰が行くかよ
《俺がエロいことしか考えてないと思ってんだろ》
うわ
心を読まれた
『当たり前じゃん』
《もちろん、そのつもりだ》
自分で認めやがったこいつ
『ほらね、ってことで、あたしは行かないから』
《…へー…いいんだぁ》
『…行…けばいいんでしょ!!??はいはいわかりましたー!!』
あたしは怒りに任せて携帯を投げつけようとした
《次は女っぽい格好してこいよ?》
『はあ?』
《美咲、絶対そっちの方が可愛いんだから…》
『…///
…ゃだね…』
あたしは携帯を切った
この時直也が、「ちょろいな」とほくそ笑んでいることも知らずに…