向かいのお兄さん
第57章 共に歩んで
『直也、次の日曜日さぁ、久しぶりに遊びに行こうよ』
その日は水曜日だった
大学から帰ると、直也が店の前で休憩をとっているのが見えて
ふと、日曜にデートがしたいなぁ
なんて思って、そう誘った
「日曜日か…ごめん、ちょっと用事があってさ」
『え…あ、うん…わかった』
予想外
まさか断られるなんて思ってもみなかった
だって直也、仕事ない日はいっつも暇そうなんだもん
「ごめんな」
直也はぽそっとそう呟いて
あたしの頭を撫でてくれた
『や…恥ずかしい///』
「嘘つけ」
頭を撫でていた手は髪を乱して
直也はちょっと笑っていてくれて
でも何だろ…
直也の目は
あたしを見ていない気がした