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向かいのお兄さん

第57章 共に歩んで





時たま、ふと思うの




直也…あたしのこと


好きじゃないかも



とか





好きとかどれだけ言ったって、セックスとかどれだけしたって


あたしが直也を好きなだけで



直也はあたしをただの女としか見ていないんじゃないかって…




『幸子さんの存在って

すごく大きいですよ』





ねえ


わかってる



無理矢理


わかろうとしてるんだよ?




直也はあなたの看病のためにあたしとの時間を割いてるんだって



仕方ないことだって



わかろうとはしてるけど、




不安で包まれてくの、すごく、不安しか、募っていかないの…




出会ったときより愛してほしい


付き合ったときより愛してほしい


一年前よりも

一ヶ月前よりも


一週間前よりも昨日よりも



もっと愛してほしいの



欲求は際限なくて

これ以上求めきれなくなっても求めてしまう





のに






『なぉや…もぅあたしを…見てくれてなぃ…』






考えれば考えるほど


何かが


離れていくの…






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