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刑事とJK

第89章 次のステージへ


―――――――――



カタカタカタカタ…カタン



吉川が手を止めた



「…agjpez」



岩崎も、ここで言い終えた




「終ー了っ」





カタン




飛鳥がEnterキーを押すと、画面上のアルファベットはどんどん消えて行った





「斉藤たちは…!?」




吉川がモニターを確認する


柵が全て上がり、斉藤とゆうひは順調に先に進めたようだ






「ふー、よかったぁ」



安心して、飛鳥は後ろにもたれた






「飛鳥…」



「はい?」





岩崎に呼ばれ、振り向いた



しかし岩崎の目はこちらを見てはいない







「飛鳥…」




「…」




「や…よい…」





!!!





飛鳥は目を見開いた




なぜ岩崎が自分の姉、弥生のことを知っているのか






岩崎の目に、涙が浮かんだ





「弥生…飛鳥…元気に…してた…かぁ…?」





遠い遠い記憶が、蘇ってきた




この声の響きを、何度聞いただろう







玄関のインターホンの音が聞こえると

弥生とは競い合うように玄関へ駆けていった



そして、毎回揃ってこう言ったのだ








「啓太…おじさん…」





岩崎は飛鳥の方を見た



その顔は、諦めていたものが自分のもとへ舞い戻ってきたときのような表情だった









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