刑事とJK
第89章 次のステージへ
「大きくなったら…飛鳥は何になるんだい…?」
「お花屋さんと…ケーキ屋さんをね…するの」
飛鳥の目にも涙が溜まっていく
「じゃあ、また…きれいなお花とおいしいケーキを…くれる…かな…?」
飛鳥は大きく頷いた
「うん…あげる
け…啓太おじさぁああん!!!」
わけもわからず、飛鳥は岩崎に抱き着いた
もう一人の父親のような存在
ある日ぱったりと出会わなくなり、
泣きじゃくっていた幼い自分が思い出される
両親が亡くなってしまった後、
どれほど岩崎に会いに来てほしかったものか
どれほど抱きしめてほしかったものか
今やっと…
こうして…
「啓太おじさん…啓太おじさんん…うっ…啓…太…おじさん…」
「…寂しかったね…つらい思いさせたね」
この温かい手…何十年ぶりだろう
「啓太…おじさ…」
「飛鳥…」
岩崎は飛鳥の背中を優しくさすった
飛鳥のその涙が止まるまで
ずっと…