刑事とJK
第90章 愛が欲しいだけだった
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扉を開けると、そこはだだっ広い空間
白い印象を受けるその部屋には、
馬鹿でかい機械が置いてあり、何十本ものコードに繋がれている
「あれが装置だな…」
斉藤が一歩踏み出したとき、横から人影が歩み出てきた
「!!?」
斉藤は無意識にゆうひを後ろに隠した
『斉藤…?』
「…」
出てきた影は…人
ただ、人と言うには疑問を抱かせるような表情
その表情とは
無
何もない
人間の持つ感情を何も持たないような印象を受ける
「邪魔してたの…あんたらか?」
ゾクッと寒気がした
「てめぇが…今回の事件の首謀者か?」
男は口だけを動かした
「さあな」
言葉一つ一つに、重みがあった
圧倒される何かが感じられたが、それが何なのかわからない
『…』
…怖い
ゆうひは斉藤の服をギュッと握った
「あんたらの目的って、これ?」
男は親指で核ミサイル誘導装置を指した
「ったりめぇだ…」
斉藤が答えると、男は返した
「…そんなこと、させるか」