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刑事とJK

第97章 根城の裏で笑う者




「お、おおおおお前とうとうそっちに走ったか!!
勝手にしろ!!
だけどな、俺にそんな趣味はない!!
俺は女の方が好きだ、斉藤、お前なんかより断然女の方が好きだ!!」




「うっせぇな。
オレだっておめぇは嫌だっつの」




「きっぱり言われるとそれはそれで凹むから、何も言うな!!」





息をフーフーと荒立てる藤野をよそに、斉藤はさっさと部屋を出て行った。



嘉山もついて行こうとすると、それを藤野に止められる。




「おい、斉藤のやつ何しに来たんだ?」



「さ、さあ…
でもさっきから、いろんな人に同じようなことして回ってますよ」




「…とうとう壊れたか」



「どうでしょうか?」






遠目に見ていても、斉藤は同じことを他の人間にも繰り返していた。









______








そうやって、かれこれ署内を数時間は歩き回った。






「斉藤刑事、ほっぺ赤くなりましたね。
ってか腫れてきましたね」



「女のビンタ、死ぬほど痛かった」




「でしょうね。
それより、何でみんなのお尻ばっか見てるんですか?」




「…」




自販機の前まで来ると、斉藤はコーヒーを買った。





「確信にはほど遠い…証拠探しだな」




「はい?」




缶を開けると、それをひと口飲む。



嘉山はその様子を、横で見ていることしかしない。






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