刑事とJK
第98章 根城の裏で笑う者〜後編〜
その次の日
いつもと変わらない登校日は、ひどく冷たい風が吹き込んでいた
曇った空は今にも落ちてきそうで、世界を狭く感じた瞬間だった
「休みか…」
周りに聞こえないくらい小さな声で、そう呟いた
恭子は休みだという話を聞いたんだ
がっかりはしたけれど、また明日会えると思えば、それほど寂しいとは思わなかった
ただ…
やはり心配になった
欠席連絡を学校に入れてないんだ
真面目な恭子がそんなすっぽかしするなんて考えられないし、昨日の電話のこともあって
僕は下校途中、恭子の家まで寄ったんだ
「あー寒い…」
呼び鈴を押して、中から人が出てくるのを待つ
いくら手をこすり合わせても、温まりそうにはなかった
「きょーこー?」
しかし、待てども待てども誰も出てこなかった
風邪で寝込んでいるのかなんなのか…とりあえず気になってドアノブを持つと、ドアはすんなり開いてくれた
「お邪魔しまーす」
以前一度だけ、この家には遊びにきたことがあった
だから恭子の部屋へは、一直線に向かうことができた
一歩ずつ足を進める
床はいちいち軋んだ音を立てた
「恭子?
いる?」
厚かましいとは思いながらも、僕は恭子の部屋の扉を開けた