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刑事とJK

第16章 過去





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「体中いてぇ…」


斉藤はテーブルの上でグダっとなった


「最近それしか言ってないじゃないか、斉藤」



藤野は割り箸を割り、
うどんを啜る




「ありえねーよ、あの女…
何回組み手しても全然勝てねぇ…」




「あんな細いのになあ」



ズルズルと音を立てると、
一滴汁が机に飛んだ



「村上はすごいぞ?」


突然話に入って来たのは
北田だった



「北田先輩!!」



藤野はひとつ席をずれ、
そこに北田が座った




「村上は強いのはもちろんだが、
その推理力や行動力は刑事課でもトップクラスだ」




「嘘だろぉ?
ぱっと見、スゲー平凡な女の子じゃねぇかよ…」



斉藤はさらに落ち込んだ



「女の子ってな…アイツ、
あれでも26だぞ?」



「へぇ…すっごい童顔…」




「けっ、顔だけだ。
中身はババアだあんな奴」


『誰がババアだ』


「ぎゃあ!!」


斉藤はテーブルから引きはがされた

そしてそこに村上は座った



『よ、藤野。北田はどんな感じ?』



「どもっす村上さん。
先輩はいいかんじっす!!」




『だってさ、いい後輩でよかったな、北田♪』



「まあな。斉藤ー、お前の先輩はどんな感じだ?」



「ほんとババア…」



『もっぺん言ってみろカスチン』


「何でもないっす…」



肘をついて睨んでくる顔は恐ろしかった


その時、村上の携帯が鳴った




『はい、こちら村上ですー…
はい、はい…了解でっす』




村上は電話を切った



『行くよ斉藤』


「へ?」


『へ?じゃねーよ
事件だ事件』





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