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「はーやーくー…」



シゲがなかなか手を動かさないでいると、
小泉はまたスイッチを見せる





「―――っ」




今度は斉藤の腹に入った



「ふっ…!!」



シゲは斉藤を見ることが出来ない




「いいねぇいいねぇ
手を休めないで!!」



小泉は興奮している









斉藤は、小泉に気づかれないよう、
藤野に目配せした









「シゲ…どうした、そんなもんかよ…」




斉藤は足をふらつかせる



シゲは唇を噛んだ






そして斉藤に蹴りを入れる


殴る


蹴る


殴る


蹴る…




斉藤は倒れた



「っ…てぇ…な…」



「先輩っ…もう僕これ以上は…できません…」




倒れた斉藤を、シゲは泣きそうな目で見た





「ほら、頭蹴れ!!
まだ喋るだけの元気があるじゃんか…!!」



バキィッ





シゲは驚いて小泉の方を振り向いた




藤野が、小泉を殴ったのだ




「あぐっ…」



小泉の手からは起爆スイッチが滑り落ち、
それを藤野が取った



斉藤は素早く起き上がると、
小泉を地面に押さえつけた



「はっ、人がボコボコにされてんのを
横で楽しそうに見てやがって。
興奮し過ぎて藤野がいること忘れったな？」





「なっ…、演技だったのか…!?」




「んなわけあるか、
全部マジの痛さだよ、馬鹿野郎」




そう言って斉藤は小泉の顔面を殴った



「がはっ…!!」



「言え、ゆうひはどこだ？」



「自分で…探せよ…」



もう一発小泉の顔面に入った




「…この階の…、奥…」




「藤野、こいつ任せた!!」



「あ、おう!!」



斉藤に代わって藤野が小泉を押さえた


「…けど…今頃どうなってるかな？
腐ってたりして、くくっ」





斉藤は最後に蹴りを入れて、
奥へ走って行った