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刑事とJK

第32章 いざ出陣





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「ああ、正貴」


風呂から上がった斉藤に、
光子が話し掛けた



「何だ?」


「あなたのお布団、
竹の間に敷いといてもらったわ」



「竹の間?」



「昔、タンスとかがたくさん置いてあった部屋よ」



「ああ…」




そう言われてみりゃ、そんな部屋あった気がするな…


確かガキのころ、
真理子とかくれんぼしてはそこに隠れてた覚えがある



「わかった、ありがとな」



光子は微笑んで、
自分の部屋に帰って行った






斉藤は居間に戻り、
藤野や真理子に挨拶してから竹の間に向かった




部屋の前までくると、
あいまいだった記憶ははっきりと蘇った





「そうそう、この部屋だ…」





懐かしんで襖を開けた




すると、山のようにあったタンスは無くなっており、
布団だけが敷いてあった




「あれ?」




布団、二つも敷いてあんじゃねぇか…


ここ、藤野と真理子の部屋じゃねぇのか?



と、部屋を見渡すと、
端で正座している千花が目に入った




「お待ちしておりました」



千花は軽く頭を下げた



「なっ、何でお前がいんだよ!!??」




「これから夫婦となる間柄でございましょう?
これくらいさせていただきとうございます」



「だから…結婚なんざしねぇって!!!」



「どうぞこちらにお座りなさいまし」




千花は布団を手で示した



「はあ?」



「お座り、なさいまし」



「…」




斉藤は布団の上に座った










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