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刑事とJK

第38章 明けまして







この時期は楽しい行事が盛り沢山


そのうちの一つ、クリスマスはもう終わってしまった



しかーし、その次に来るものと言えば――――









『正月か…』








ゆうひは机に向かって勉強していたが、全然身に入らなかった



今年も終わったら、一人で迎える正月はこれで3回目だなぁ…





『…もう、馴れたけどさぁ…』






寂しいもんは、寂しいよ


あたしだって…家族が、ほしい…





しかし、こんなことを望んで
簡単に手に入るようなものでもない






『…お正月は、刑事課の人たちに
挨拶しに行こっと!!』



ゆうひは少し元気を出した




――――――――――





「おめぇ、正月はどうすんだ?」




斉藤はラーメンを食べながら言った


さすがに公園で時間を過ごすのは寒い、
ということで今日はラーメン屋にいた




『…何にもない』




「そうなんか?
んじゃ、一緒に紅白見るか!!」




『え、でも斉藤は実家に帰らないの…?』



「絶対帰らねぇ」



それはきっぱりと言い切った




『一緒に…年越してくれるの…?』



「ったりめぇだろ
何遠慮がちになってんだ?」




てっきり、斉藤は実家に一度帰るものだと思っていたので

ゆうひはそれを聞いてとても嬉しかった





…誰かと一緒にいるお正月…



どうでもよさそうに思えるが、ゆうひにとっては大きなことだった





『うん、うん、一緒に紅白見ようね、
一緒に初詣で行こうね…』






やばい、泣きそう…






ゆうひはラーメンを啜った




「…目に…涙溜まって…」



『ちがう、これラーメンの蒸気だから!!』





ゆうひは目を拭いた






斉藤、ありがとう…///











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