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刑事とJK

第39章 冬のシゲの春






「さきほどは、
申し訳ございませんでした」



ゆうひは、あっさりと謝ってきた千花に驚いた





『え…いや…その…』



「ふふっ、ゆうひさんは
本当に正貴さんをお慕いしていらっしゃるのですねぇ」



千花は口に手を当て、
またクスクスと笑った



『そ、そんな…///』



「わたくし、花宝院千花は…
幼き頃より家柄に縛られ、ただ正貴さんの妻になるためだけに育てられてきました」




『え…』




「斉藤家と花宝院家は親戚みたいなもんでね、
いろいろあんのよ♪」



真理子はゆっくり紅茶を飲む





ゆうひは
千花の話を真面目に聞くことにした




「顔も見たことがない方の元へ嫁ぐだなんて…
とも思いました。
しかし、それが家のためだ、と何度となく言い聞かされてまいりました」



千花は自分の手を握った






「そして初めて正貴さんを目にしたのです…
その時は、何とも思いませんでしたが…」





千花は、それはもう嬉しそうな表情を浮かべた






「正貴さんはこのようなわたくしにおっしゃったのです。
"自分で決めろ。
好きなやつも、結婚相手も、人生も"…と」





まっすぐと、千花の目はゆうひを見た





「その時からわたくしは、
誠に正貴さんに惚れ申したのです」




『…』




「二度目にお会いしたときは、
無理にでも一夜を過ごそうといたしました…」



『…』


ゆうひは唇を噛んだ



「しかし正貴さんは…わたくしを拒みました。
大切な人がいるから…と。
ゆうひさん、あなたのことでございましょう?」



『…』



「それはもう悔しゅうございました…。
しかし正貴さんは、やはりわたくしに道を作ってくださったのです
誰にも縛られることのない生き方というものを…」




ほろっと
千花は涙を流し



それはゆうひに衝撃を与えた





「ですからわたくしは…恋というものは諦めましたが、
正貴さんには心より感謝しております。
ゆうひさん…わたくしのふざけのせいでつらい思いをなさったなら、
どうぞお許し下さい…
そして正貴さんのことを、どうか責めないで下さい…」



千花は深く頭を下げた






ゆうひは椅子から立ち上がり、
千花の隣まできた









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