刑事とJK
第39章 冬のシゲの春
ゆうひの手がバッと上がった
千花は思わず目を閉じる
すると、
ゆうひの腕は千花に抱き着いた
「えっ…」
『うえぇ~ん!!
千花さあぁ~ん!!』
ゆうひはおいおいと泣き出した
「ゆうひさん…」
千花と斉藤に何があったか…
そんなことは知らない
けれど、千花が本当に斉藤のことを好きだったという気持ちは
ひしひしと伝わってきた
それでも、好きな人を諦め…
しかし感謝して…
素直に現実と向き合える
すごい人だと思った
『千花さん…あたし誤解してました…、
千花さんのこと、誤解…うっぐ、えっぐ…』
千花はそっとゆうひの背中に手を置いた
「正貴さんを…大事にしてあげて下さいな」
とても優しい声だった
『うん、うん…大事にしますぅ…』
ゆうひは千花からゆっくり離れた
「可愛いお顔が台なしですよ?」
『別に可愛くないです…』
千花は困ったように笑った
「少なくとも、正貴さんには
とても可愛く見えてるのですから」
『何でそんなに、いい人何ですかあぁ~!!』
また泣き出した