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刑事とJK

第5章 小犬





さすがにこの雨だ



公園の周辺に、
人の姿は全然なかった




ひょっとしたら、あいつもいないんじゃないかと
そんなことも考えたが

余計なことだった





公園の中には


一人だけいた






真ん中で、傘もささずに
ずぶ濡れになって突っ立っている



ゆうひ…





いつもと何かが違った

雨のせいもあるだろう



でも明らかに、何かが違った






こちらからは、ゆうひの後ろ姿しか見えない


ゆうひしか


そこにはいなかった





いっそう雨がひどくなる中、
オレはゆうひの隣まで歩いた







「ずぶ濡れじゃねぇか…
傘、ささねぇのか?」




『…』




夏服のカッターシャツは
雨に濡れて肌が透け

華奢な体形がよくわかり




次から次から

ゆうひの顔を

雨が滴り落ちる





ゆうひは黙ったまま、

ただ一点を凝視していた






その視線の先に目をやると、
傘が開いた状態で落ちてあった













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