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刑事とJK

第42章 船上の殺人事件2




「ああ~、頭回んねぇ」


斉藤は頭を抱えた



「珍しいじゃないか、
そんなに事件で悩んでるなんて」



「確かに、今の状況じゃ怪しいのは戸松しかいねぇ。
でも、なんかしっくりこねぇんだよ…」




『あの人たちの中に犯人がいるとは
限らないじゃん?』



ゆうひは言った


しかしそれは斉藤には、神谷をかばってるようにしか聞こえなかった




「いいや、あん中にいる」



『証拠は?』



「勘」



『はぁ…』



斉藤としては、どうしても神谷を犯人にしたかった


っつうか、ほんとに二人っきりで何してたんだよ…?




ゆうひは藤野の腕の傷を見て思い出した





『藤野さん、怪我大丈夫ですか?
銃で撃たれたんでしょ…?』



心配そうな顔をしたゆうひの頭に、
藤野はポンッと手を置いた




「ありがとうな、ゆうひちゃん」



『いいえ
でもさすが刑事さんだね。
江口さんを守ったんだよ』



ゆうひは笑顔で答えた



「ゆうひ、今何つった?」



斉藤は顔を上げて聞く




『…"さすが刑事さんだね"?』



「その前」



『"銃で撃たれたんでしょ"…?』



「…お前、それをどこで知ったんだ?」



『え…どこって…
撃たれたんじゃないの?』



「いや、あってる
どこで知ったんだ?」



二度、同じ質問をした



『神谷さんに聞いたの』



「…」



斉藤はニヤリと笑った



『…?』



「藤野、あいつボロ出しやがったぞ?」



「あいつ?」




「神谷の野郎だよ」



『え!?それはないよ
だってあたしずっと一緒に…』


「ああもう、それを言うんじゃねぇ!!
…ゆうひのさっきの供述で、
神谷には穴が出来ちまったよ」







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