刑事とJK
第42章 船上の殺人事件2
「穴?」
「ああ。完璧なアリバイに空いた小せぇ穴だ」
『教えて、どんな穴?』
「それは後のお楽しみだ。
それともうひとつ…
ゆうひ、お前神谷と本当にずっと一緒にいたのか?」
『いたよ』
「目も離さずにか?」
『…うん。
あ、ううん
あたし途中でちょっと寝てた』
「…決定的だな」
斉藤は全員を神谷の部屋に集めた
「犯人がわかった!?」
「だ、誰が忠を殺したんだ…!?」
斉藤は静かにするように言い、前に出た
「オレはドラマや漫画と違ってもったいぶらねぇ。
率直に言う
犯人はおめぇだ、神谷洋平」
!!!
一気に神谷に視線が集まる
「か、神谷が…!?」
「洋平…」
「…なんですか、それ」
神谷は口を開いた
「あなた、僕のことが気に入らないから
犯人にしてるだけなんじゃないんですか?」
斉藤は頷いた
「ああ、半分はそれだ」
おい!!
「だけどな、お前のアリバイを崩す証言、
ゆうひが言ってくれたよ」
『え…』
「なっ、何を…!?」
斉藤は人差し指を立てた
「まず、お前はダンスが始まる時間に
横田を殺害したんだ」
「…は?
展開が早すぎる」
「まあ聞けよ。
お前は包丁で横田を殺害した後、またパーティー会場へ戻り、
用意しておいた銃で江口を狙ったんだ。
けれど江口は藤野のせいで生き延びてしまった。
仕方がないから、次のターゲットである純友を狙った」
「…」
「けれどこのままじゃあ、
純友殺しの時のアリバイが作れない。
だからゆうひを証人にするために、ゆうひに話しかけたんだろ?
自分のアリバイ作りのために」
「…」
神谷は黙って聞いていた