刑事とJK
第43章 恋ガタキ
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ある日
刑事課の全員が、中島刑事課室長に呼び出された
「何でしょうね、先輩…」
「さあーな」
ふああ…とあくびをする
刑事たちは横に2、3列に並ばされ、中島はその前に出た
「えーっと、今日皆に集まってもらったのは、彼を紹介したかったからだ。
南君、入って」
中島が手招きをすると、皆そっちに注目した
斉藤だけは、下を向いてコックリコックリとしていたが…
「ちょっと先輩…」
シゲは隣から斉藤を突いて起こす
「あ…いけねっ」
斉藤も頭を振って目を覚ました
中島の隣に、スラッとした男が立った
「南輝基(ミナミ テルモト)と言います。
よろしくお願いします」
その瞬間、辺りがざわついた
「え、え…?
何でみんな、知ってるんですか?」
「…あいつか」
斉藤も、知っているような口ぶりだった
中島が南の方を見て言った
「南君は数年前までうちの刑事課に勤務していたんだよ。
一旦別のところに人事異動して、
またこうやってうちに帰ってきてくれたんだ」
南は全員の顔を見回すようにしてしゃべった
「自分のことを知ってる人も知らない人もいると思いますが、仲良くお願いします」
南は深くお辞儀をした
刑事たちの中からはパチパチと拍手が鳴る
南は顔を上げた
見た感じは、
さっぱりとしていてスポーツ選手のようだ
「まあ、そんな感じだね。
皆ありがとう、解散ーっ」
中島がパンッと手を叩くと、皆はそれぞれの職場に戻った
南に、
久しぶり、はじめまして、
と話しかける者もいたが
斉藤はあくびをしながら、
もちろん仕事部屋に戻った