刑事とJK
第43章 恋ガタキ
『…今の人が?』
「ああ、南だ」
『なんか…、
斉藤と衝突するのもわかる気がするなぁー』
「はあ!!?」
ゆうひはもう一度ベンチに腰を下ろした
『二人とも、
自分の志を曲げなさそうだし』
「…オレはな、曲がんねぇよ。
あいつはぐねぐねだけどな」
『よく、知ってんだね』
「知らねぇよ、
オレ、あいつ嫌いだからな」
斉藤はきっぱり言った
『はいはい』
―――――――――――
「弥生…」
じゃ、ないんだな…あの子は…
斉藤は"ゆうひ"と言っていたな…
南は机に肘を乗せてため息をついた
「すいません、斉藤刑事がどこにいるか知りませんかー?
面会したいって方が…」
新人刑事が
南の部屋に入って来て聞いた
「はあ…あいつなら、
女と遊んでいるよ」
「え…。
なんか、今はいないみたいです。
どうしましょうか」
新人はお客に話した
「そうですか、じゃあまた来ます」
!!!
南はパッと顔を上げた
―――この声は―――!!!
南は大慌てで部屋を飛び出た
そして斉藤に用があるという客の肩を掴んで、
自分の方へ向けさせた
「―――っ」
「な、何ですか?」
「…弥生ぃ…」
そこには紛れも無い、
村上の姿があった
南は、衝動的に抱きしめた
「えっ…ちょっと…!!///」
「弥生…弥生…弥生ぃ…!!!」
村上は気が付いた
…この人、あたしと姉さんを
勘違いしてる…?
そう、南が思わず抱きしめたのは、
弥生ではなく飛鳥だったのだ