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刑事とJK

第46章 点を結ぶと






啓太は読める限りの書物を読んだ



小説に限らず、日本の古学作品や数学の証明、
ハーバードの教授が書いた論文を
日本語に翻訳したりなんかもした



そこまでが中学までの啓太だった



そんな中、啓太が高校に入学したあとに、
兄の信太が結婚するという話が出た



家族全員そのことを大いに喜び、
心から信太を祝福したものだった





「子供が出来たって!!?」



結婚から2年後、
信太はそのことを家族に伝えた



「ああ、しかも双子だそうだ!!
やったよ啓太~!!」



信太は涙目で啓太に飛びついた



「兄ちゃんおめでとうっ!!
僕もすごい嬉しいよ!!」



啓太も、そんな信太を
がっちり抱きしめた









無事に双子が生まれた、
という知らせが電話であった



「兄ちゃん、また見に行っていいかい!?」




《当たり前だ、いつでもこいよ!!》




啓太は信太の家を訪れた




「啓太さん、こんにちは」



明るい笑顔で啓太を迎えてくれたのは、
信太の奥さんだった



「こんにちは、もう動いて大丈夫なんですか?」



「ええ、今まで家のことは
あの人に全部任せっきりだったし、
いつまでも寝込んでていられないわ」




素敵な笑顔だった






「えっと…こっちが弥生で、こっちが飛鳥?」



ゆりかごに並んだ二つのおんなじ顔



「違う違う、こっちが弥生でこっちが飛鳥だって」



信太はポンポンと赤ん坊の頭を触った



「一緒過ぎるんだよー」


「お前、あんだけ頭いいのに…
なかなかこいつらの顔は覚えられないんだな」




信太は笑った



とても幸せそうに…






啓太は高校を卒業後、
大学へ入っていろいろな研究に没頭した



しかし、大学生の間は、
合間を縫ってはちょくちょくと
信太の家に遊びに行った






「「あ、啓太おじちゃんっ」」






いつも声を揃えて、
弥生と飛鳥は啓太を玄関まで迎えに来てくれた





「元気にしてるかああ?
弥生に、飛鳥っ」



啓太は二人を抱きしめる



まるで、我が子のように…








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