刑事とJK
第49章 有人島サバイバル
〔メィヤワィヤ!!〕
シーザがそう言うと、
またお祭り騒ぎが始まった
「…」
斉藤は悔しそうに、その場に座っていた
藤野は手の縄を解いてもらえたが
斉藤は、
また暴れ出したら危ないから
と、
腕だけでなく体ごと木に縛られた
人々は火を囲んで、
美味しそうにご馳走を食べたり、
歌ったり踊ったり…
南や飛鳥やシゲ、藤野は
出された料理を食べた
斉藤の前には、何もない
飛鳥は、自分がもらった焼き魚を
斉藤に持って行った
「はい。まだ、何も食べてないでしょ?」
「いらねぇよ」
「斉藤さん…」
飛鳥は立ち上がって、ゆうひの方を見た
「もうちょっと…辛抱してね…」
「あ?」
飛鳥は焼き魚を置いて、
戻って行った
代わるように、今度はシゲがやって来た
「先輩、はい、あ~ん」
シゲは一口サイズに切ってある果物を
斉藤の口に持って行った
「いーらーねーっつってんだろ」
腕は使えないので、
足でシゲの手を退けさせた
「美味しいですよ?
それに、何か食べないと死んじゃいますよ」
シゲは無理矢理、斉藤の口に入れた
「いらねって!!」
ペッと吐き出した
それを見ていた男が、
怒って斉藤の顔を殴った
「先輩!!」
「いって…ぇなあてめぇ!!!」
斉藤は男に怒鳴り付けた
口答えするのか
と、男の手がまた上がった時
〔デルィカ!!〕
と、遠くからシーザが男を叱り飛ばした
男はシュンと落ち込み、
手を下ろす
「…気にいらねぇ…」
斉藤は、どこか優越感に浸ったシーザの顔を
殴り飛ばしたくて仕方なかった
そして、このよくわからない宴は終わった
ゆうひと、あの態度のでかい男に
何があったのか、という…
疑問を抱いたまま…