刑事とJK
第54章 結婚式
会場一帯がざわめきだした
慌てて上を見ると、
確かに火が燃え広がっていた
叫びながら、ひとりが会場を飛び出すと
後から後から人が出て行った
「ヤベーな…逃げんぞゆうひ!!」
『あ、うん!!』
斉藤は勢いよくゆうひの手を掴んで
出口目掛けて走った
『…///』
皆、どやどやと外に出た
外から結婚式場を見ると、
もう煙が立ち上ってきていた
「危ねぇな…
つぅか藤野たちも、結婚式で火事とか災難だな」
『そうだね…藤野さんたちは?』
ゆうひがキョロキョロと見回すと
藤野と真理子の姿を見つけた
とりあえず安心だ
その時、誰かが斉藤の腕を引っ張った
「正貴…!!!」
「あ…、おふくろ…」
光子は取り乱しながら言った
「あの人が…源十郎さんがいらっしゃらないの…!!
まだ中にいるのかもしれない…!!」
「なっ…!!」
あの世話焼ジジイ…!!
斉藤がゴオゴオと燃える結婚式場に飛び込もうとすると、
斉藤よりも先に、誰かが走って入っていった
「…!?」
続けて、真理子の声が聞こえた
「やだ、泰輔行っちゃダメぇ!!」
今飛び込んで行ったのは、藤野…!!?
斉藤も後を追いかけようとしたが、
入口は崩れ、中には入れなくなってしまった
「藤野…!!」