刑事とJK
第7章 美人女医
消毒を終えると
津森は塗り薬を出した
「坊主にして包帯巻きたいけど、
髪切るのはいやでしょ?」
「いやだ」
津森は斉藤の頭の傷口に
優しく薬を塗った
おとなしくしている斉藤がムカつく…
「よし、頭は大丈夫よ
他、どこかある?」
津森は斉藤の腕、腹、そして背中を
軽くマッサージしていった
「つぅ…」
斉藤は顔を歪ませる
「背中ね。はい、上脱いで」
『ぇ…///』
あたしは思わず
斉藤から目を逸らした
…なんで?
別に照れることないじゃん…
斉藤は上を脱いだ
「あら痛そー
紫色どころじゃないわね」
『そんなひどいの…!?』
津森さんの言葉に
あたしは斉藤の背中を見た
あの時、鉄パイプで
殴られたときのだ
殴られた跡は、津森が言ったとおり紫どころではなく、
もっと黒々しい色になっていた
「うわ、ひでぇ…
でも先輩の場合、
もともと血の色が濁ってるんっすよ」
シゲは斉藤に膝を蹴られ苦しんだ
しかしよく見たら、
背中だけではない
全身打撲の跡があった
斉藤…こんなに殴られてたんだ…
あたしは何となく、
罪悪感にとらわれた