刑事とJK
第65章 トムおじさんの正体
どれくらい喋ったかわからないが、三宅武志はこう言ってきた
「…ゆうひちゃん、海の方行ってみない?」
『え、今から?』
「夜の海、どんなのか見てみたいからさ」
ゆうひの必死のアピールも虚しく、
斉藤はやっぱり楽しそうに喋っている
…ヤキモチ焼けよ!!
『行きますっ海』
「そうこなくっちゃ!!」
三宅武志に続いて、
ゆうひは浜辺へ向かった
――――
二人は浜辺に出た
『うわ、真っ暗』
「ほんとだ、海見えないね…あ、でも上」
三宅武志は空を指差した
つられてゆうひは空を見上げた
『…星がいっぱい』
日本の都会では
見ることができないであろう
それはもうたくさんの星が
空に散りばめられていた
ゆうひはただ星に見とれている
「きれいだね」
三宅武志はその場に腰を下ろした
『舞さんと見たらどうですか?
すごいロマンチックだし』
ゆうひは三宅を見た
…あたしも、斉藤と二人で見たい…
「俺は、舞よりゆうひちゃんと見たいね」
『え!!?』
驚きのあまり、
声が裏返ってしまった
何言ってんの、この人…
新婚旅行でこの島に来てるのに、
奥さんの舞さんより、あたしと星を見たい?
「正直言うとさ、
舞との結婚は望んでなかってさ…」
『…そんな』
三宅は真っ黒な海を見つめた
「できちゃった婚ってやつだなー
"責任とってよ"って言われて、仕方なしに結婚したんだ」
『…』