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刑事とJK

第74章 修行僧再び






『斉藤、歯磨いた?』
「歯磨き粉つけときますね!!」




『寝癖直ってないよ…』
「俺、ワックス持ってるんで!!」




『靴汚れてきて…』
「ちゃんと磨いておきましたー!!」




『…』




ゆうひは自分の服の裾を掴みながら、
玄関まで見送りに来た




その目にはうっすら悔し涙…




『…いってらっしゃい…』



お見送りのキスをしようと、
少しだけ顔を上げた




「おう、いってき…」
「行ってきますね、ゆうひさん!!!!」




コンは二人の間に割って入り、
斉藤の背中を押して家を出て行った




バタン、と扉が閉まる









『お…』





ゆうひは手を震わせた




『お前に言ってねーっつーのおおお!!!!!』




ガンッ



と、思い切り扉を蹴った




『…』




変に、指を打ったようで
じんじんと痛い



シゲがコンと張り合ってたのが、今になってよくわかった





―――――――――――







「どうも皆さんお久しぶりです!!!
今野金之助、ただいま帰還しましたー!!!」



刑事課中に、元気な声が響き渡る


刑事たちの反応は、薄かった





「おお今野、久しぶり」
「お前どこ行ってたんだ?」




話し掛けてくれる者もいたが、
コンはそれ以上に大事なことがある




それは―――…




「先輩ー、書類ってこれで全部っすかー…?
あ?」




「ふふふ…来たな、シゲ」




「お前は…コン…」












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