テキストサイズ

刑事とJK

第74章 修行僧再び





―――――――――――



数日後…



「おい斉藤」



「どうした南?」



「今野をどうにかしてくれ」


斉藤に物事を請う南は珍しい





「今野じゃねぇよ、コンだ」



斉藤は笑顔で答えた



「どっちだっていい…
とりあえず俺は、あいつに付き纏われて
ノイローゼになりそうだ…」




「そうかそうか、
あ、まだおめぇに3回回ってワンやってなかったな」





斉藤は席から立ち上がった





「いや、それはいい。
それは帳消しにするから、今野を貰ってくれ…」





「まぁ、そう言うなって。
オレの屈辱的な様を見れるのなんざ、レアだぞ?」




斉藤は回り出そうとしたが、南は止めた





「ほんとにそれはいいから…
頼むから、今野を貰ってくれ…」




「…」





南が気の毒に思えてきた…



でもオレだってもうウンザリだ




コンの面倒見ないで済むなら、
3回回ってワンっつぅくらいお安いご用だ





「…よし…藤野に預けよう」



「藤野に…?」



「ああ…わりぃが、あいつには犠牲になってもらおう」



「…すまない…藤野…」



南はクッと涙を呑んだ



おそらく、ここまで南と意志疎通を図れたのは
初めてではないだろうか…



「斉藤…」
「南…」



おれら仲間だ…

と、お互いの拳を軽くぶつけた




――――――――――




その後、藤野が病みかけたという話は

言うまでもない…












ストーリーメニュー

TOPTOPへ