刑事とJK
第10章 伝えられない想い
建物内に響く
高い音
「久しぶりの…痛さ…」
『遠慮しなくていいよ、
どんどん叩いたげる』
ゆうひのニヤッとした笑みに
斉藤は震えた
『で、会える日はあんの?』
「…平日に、公園…」
『ほんと?』
ゆうひのこの嬉しそうな顔ときたら…
「ほんと。約束」
斉藤は小指を立てた
『ゆびきりげんまん♪
へへ、懐かしいなぁ』
ゆうひも小指を立て、お互い結んだ
『あのさぁ、斉藤
この前言おうとしたことなんだけど…』
「ん、なんだ?」
『あたし――――…』
「あらぁ、斉藤とゆうひちゃんじゃないの?」
二人は声がした方を振り向いた
津森だった
「どうしたの、こんなところでコソコソとー」
『こんにちは…』
「…」
斉藤は津森を見ないようにした
この前のことで複雑な心境だったからだ