刑事とJK
第82章 刑事と爆弾狂
そして、一緒にそっとゆうひのお腹を撫でた
「てめぇ何し…!!」
「良かったね」
斉藤もゆうひも驚いた
小泉はゆうひのお腹に目を落として言った
「おめでとうね、ゆうひちゃん」
『小泉…』
小泉が"死んだ"者だとあたしに思わせないのは
小泉が時々見せる、人間味溢れたこの優しい表情のせいだった
人殺しを平気でできる人間が、こんな表情できるのか…?
できてる
実際、小泉がそういう顔を見せてくれてる…
ますます
この男がわからなくなっていく…
「じゃ、次は中央塔にどうやって入るかだね」
小泉は何もなかったかのように後ろを向いた
「…おめぇは本当に…もう人殺しはしねぇのか…?」
「へ?」
「どうなんだよ…?」
斉藤は眉間にシワを寄せながら聞いた
「一応ね
ゆうひちゃんと約束しちゃったからさ」
「オレを殺そうとは、しねぇのか?」
小泉はじっと斉藤を見た後、口を開いた
「…ゆうひちゃんが悲しむでしょ?」
「…」
一体、何を考えてるんだ…?
しばらく何も語らないまま、その場に立ち尽くした
『こ、小泉は、何でここに来たの?』
ゆうひが話を切り出した
「俺が?」
『うん、目的なしでパークの中に入ってきたわけじゃないでしょ?』
小泉はニコッとした
「ムカついたから」
『ムカ…?』