All Arounder
第10章 Parent And Child
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「ところで姫…」
『?』
夕方、部屋でゴロゴロしていると
大志が話し掛けた
「明日、どうすんだ?」
『明日?』
「ああ、明日はオレ、学校行くからよ」
『え、大志学校行ってるの?』
姫は目を真ん丸にさせた
「まあ、…行ってねぇも同然だけどな」
大志は椅子と一緒にクルクルと回る
こういう仕草は、さすが18歳といった感じだ
『All Arounderは…?』
「本業はそっちだけど…たまには学校行かねぇと、親にばれる」
『…All Arounderってこと、家族に秘密にしてるの?』
「そういうこった。
言うなよ?」
大志がこっちを指差してきたので、姫は2、3度頷いた
「で、明日どうすんだ?」
『…』
どうしたらいいんだろ…
酒場に行っといた方がいいのかなぁ?
「…一緒に来るか?」
『いいの?』
「おう。
酒場にいててもいいけど、井上を構ってやんねぇとダメだからな…
嫌だろ?」
『うん』
「決まりだな。今日はもう一泊してけ」
『うんっ』
最初からそのつもりだったが、とりあえず黙っておいた