All Arounder
第11章 High School Student
「馬鹿、大志の前でその話しちゃダメじゃん」
「だって…つい…」
『…』
あの親子は…
よくわからない…
姫は急いで大志を追いかけた
仲がいいのか悪いのか…
あたしにはいいと見えたけど…
階段を駆け降り、下駄箱から靴を取り出して履いた
…でも大志は
本当に父親を嫌っているのだろうか…
『大志!!』
姫は大志の腕を掴んだ
『先に行かないでよ…帰り道わかんないんだから…』
息を切らせながら言う姫に、大志は言った
「わりぃ」
顔を見て言ってはくれなかったけれど
とりあえず姫は安心した
「今日は一旦酒場に寄るから」
『あ…うん』
何事も無かったかのように
大志は道を進んで行った
太陽が夕日に変わるには
まだ少し早い時間だった