All Arounder
第15章 Jealous
「あのー、すいません」
その声に全員が振り向いた
扉の前に立っていたのは、制服姿の女子高生
「何でも屋ってここですかぁ?」
喧嘩をしていた大志と井上は、顔を見合わせニンマリ笑った
「「いらっしゃいませ」」
――――――
奥の部屋に入り、女子高生を座らせると、大志と井上はその前に座った
「おはようございます、今回はどういった依頼でしょーか?」
まずは井上が口を開いた
「何でも屋ってほんとに何でもしてくれるんですかぁ?」
長いストレートの黒髪に、バチバチの化粧
来ている制服は前が開きまくりで、スカートなんてもう履いてないも同然の長さだ
この手の女性も井上の許容範囲内なので、井上も依頼交渉には立ち会ってくる
「All Arounderっす、もちろん何でもしますよ?」
大志が営業スマイルをかますと、女子高生は「じゃあ…」と言い、続けた
「今日一日、デートしてくれませんかぁ?」
大志はふと井上の顔を見た
「(ニヤニヤしやがって…)」
「よし、いいでしょう。報酬は…5000円でいかがですか?」
「高い」
あっさり言われ、井上は眉間にシワを寄せた
「あのなー…こっちも仕事なんだし文句言うなよな」
「1000円で」
「…1000円ね…はいはい、わかりました。
んじゃデートでもホテルでも行きましょー…」
「あたし、あっちの人がいい」
井上が立ち上がると、女子高生は大志を指差した
「…え、オレ?」
「何でだよ!!?
俺じゃ不服か!!?」
「ダメなんですかぁ?」
…ダメではない…