All Arounder
第15章 Jealous
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大志と円香は街中を歩いていた
化粧品店やゲームセンター、パチンコ屋など
様々な建物が軒を連ねる
まだ昼前なので、知り合いなんていない
皆学校にいる時間だ
敢えて言うなら、不良がポツポツとたまっているくらいだった
「ねぇーどっか食べに行こうよぉっ」
「好きなとこ行きな」
「何その言い方~、大志はあたしの彼氏じゃないのぉ?」
円香はぷぅっと頬を膨らませると、また大志に引っ付いてきた
大志は思わず溜め息が出そうになるが
「…円香の好きなとこでいいからよ」
これも仕事のうちだ
めんどくさがってる場合ではない
「やったぁ、じゃーあの喫茶店行こ!!」
円香は強引に大志を引っ張り、小洒落た喫茶店に入って行った
その様子を、遠くの植木の間から見ていたのは、姫と井上だった
『何であんなにベタベタしてんの?』
「一応カレカノになるってのが今回の依頼だからなー」
『何で大志なの?』
「俺だって疑問だ」
『何で…』
何でこんなにイライラすんの…?
すっごくモヤモヤする…
姫のどこか苦しげな表情に、井上は肩を叩いてほほ笑んでみせた
「あれは大志が望んでやってることじゃねーよ」
『…』
姫は口を尖らせたまま俯いた
頭ではそうだと理解できても、気持ちは言うことをきかない
「まぁ、とりあえず後をつけるぞ」
井上の後ろに続き、姫も微妙な面持ちで足を進めた