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All Arounder

第17章 Shadow Threaten




食べ終えると、三人は店を出た


店内は冷房が効いていて肌寒いくらいだったが、
外へ出ると衣服がへばり付いてくるくらい蒸し暑かった




「ふぅ、んじゃー酒場にでも戻っかー」



井上はうんと腕を伸ばすと、ダランと力を抜いた



その背中に背負われている細長い鞄に、姫は目をやる



『退斗はいっつも鉄砲持ち歩いてんだね』




「鉄砲じゃねーよ
ちゃんと"ガーランド"って名前があんだから」



『へぇ、ガーランド…』



「鉄砲」




「大志てめー…」





そうやって道を歩いていた時だった







「お…お嬢様!!!」










『え?』




姫が振り向くと、そこには身なりのきちっとした男や女がいた



「お嬢様、こんなところに…!!!」




そいつらが姫に近づこうとすると、大志と井上は姫を自分たちの後ろへ隠した




「…あんたら誰だ?」




大志がまず口を開いた



「そ、そう言うあなたこそ、お嬢様に何をする!!?」



「"お嬢様"?」



大志が姫の方を振り返ると、姫は小さく頷いた



『この人たち…屋敷の使用人なの』




!!!




「マジかよ…」




「…どうする、大志?」




「どうしたもこうしたも…」





井上と大志が喋っていると、使用人のうちの一人が口を開いた





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