All Arounder
第18章 Necklace
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斉藤は一人、もくもくと読んでいた
何を読んでいたかと言うと、西浦社長の書斎にある、本や日記だった
一枚一枚丁寧にめくっていく
しかし、どこかに令嬢についての手がかりがないかと探しているうちに、外はもう真っ暗になってしまっていた
「…」
…この日記だけ読んだら、今日のところは引き上げっか
斉藤は手に取った日記を開けた
「うおっ…」
つい手を滑らせ、日記はバササ…と音を立てながら落ちてしまった
「いっけねぇ…」
遺留品は大切に扱わないと…と拾い上げた時
日記の分厚い表紙に出来た切れ込みから、紙が出ていることに気づいた
「…?」
日記からその紙を取り出して見てみると、右下に"家族"という文字がある
裏返してみると、それは写真で、少女が写っていた
「…姫ちゃん…?」
その綺麗で、無表情な女の子…
姫以外の何者でもなかった
「…嘘だろ?」
思わず独り言を漏らしてしまう
もし本当にこの少女が
"西浦姫"なら
自分と出会った"西浦姫"は
なぜ
大志と一緒にいる…?