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姫が言葉に詰まったその時だった


突然後ろから、手首を掴まれ引っ張られた




『あっ…!!』




驚いて大志も振り返ると、姫を掴んでいたのは前に会った屋敷の使用人たちだった





「お嬢様、やっと見つけましたよ。さぁお屋敷に帰りましょう」



使用人の男が、低い声で姫に伝える




『い…いや、離してよ…!!』



姫は掴まれていない方の腕で、使用人の手を離そうとした



「お嬢様…!!」



しかし、他の使用人も、抵抗する姫を押さえ付けた




「おい、あんたら…
"お嬢様"に対してそんな手荒な真似…なしだろ」



大志が一歩前へ進んだとき、突然頭に強い衝撃を受けた




!!!




振り返ると、そこには棒を持った使用人が数人



「て…めぇらぁ!!」




大志は、そのうちの一人に殴り掛かろうとしたが
また後ろから殴られた





『た…大志ぃ!!!』




「あ…で…」




休む暇もなく、大志は取り囲まれた




頭がガンガンする


ふと傷口に触れると、ドロッとした感触がした



…どうやら出血しているらしい





とそこへ、リムジンが走ってきて、姫たちの後ろで止まった



「お嬢様、お乗り下さい」



扉が開くと、姫は無理矢理車の中に押し込められた




『いや、やめてよ…!!
大志に酷いことしないで…!!』



必死に手を伸ばすが、それも虚しく
車の扉は閉められてしまった