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All Arounder

第20章  Side By Side






「お嬢様、お帰りなさいませ」



黒羽は姫の手を引こうとしたが、姫は振り払った





『触んな』




「…」




困った表情を見せつつも、黒羽は姫を車に乗せようとする



もう一人の使用人が、姫を招き入れようとしたとき

その使用人は言った





「お嬢様…?西浦社長からいただいたネックレスはどうされたのですか?」




『…』




姫は自分の胸元にそっと触れる





…大志の首に…





『…なくした』




「え?」




使用人は耳を疑った





『なくしたの』





あのネックレスは…あたしと大志を繋いでおくためのものだから…





「あんなにお大事なものを…一体どこでなくされたのですか!?」





『知らない』





「…何か隠しては?」






『隠してない』





「…」




使用人は姫の真正面に立った






『…?』













パンッ!!













頬に鋭い痛みが走った



驚きのあまり、姫は地面に腰をついた






『え…?』





「お、お嬢様!!?」




黒羽は慌てて姫のそばに寄った



そして姫を打った使用人を睨みつける





「お前、お嬢様に何をするんだ…!!」






使用人は二人を見下しながら、嘲笑した







「"何をするんだ"…?
それはこっちの台詞だ」












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