All Arounder
第21章 Forbidden Love
掴まれていた顎を持ち上げられたかと思うと、唇に温かいものが重なった
視界はこの人でいっぱいいっぱいで
体を引き寄せるために腰に添えられた手からは、熱が伝わってくる
突然のことすぎて、言葉は何も出なかった
はたから見ていたら、ただ呆然と立ち尽くしているだけだったろう
唇が離れる時、グラスを指で弾いたかのような高い音がした
『あ…え…///』
頭が混乱していた
拒まなきゃいけないのに
拒めない…
ダメなのに
嫌じゃない…
「すげぇいい…」
目が合ったかと思うと、体全体を抱きしめられながら
またキスされた
しっかり頭を掴まれ、顔を背けることが出来ない
唇以外の、何かが触れた
『んっ///』
唇の隙間から、温かい舌が入り込んできた
それは口の中で暴れ、こっちの舌まで刺激してくる
『ふぁ…ぁ///』
体が震えた
あたしという全てが、この人に包み込まれていると思うと
もうどうしようもなかった
舌が触れ合う、この感触
癖になってしまいそうだ
『さ、ぃとぉ…さん…///』
「ん?」
『やめ…んふぁっ///』
さらに激しく動き回る舌を、こっちの舌も求めに行った
チュッ
クチュ…クチュ…
熱くて熱くて、ボーッとしてくるほど…
この人は、あたしを狂わせる…