All Arounder
第21章 Forbidden Love
食器を洗い終えると、斉藤が話し掛けた
「姫ちゃん、もう大志とはキス出来たんか?」
『え…///』
こんなこと言うのは、正直恥ずかしい
『…まだです』
「そうか…何してんだあのガキ、こんな可愛い女の子がいんのによ」
たったそれだけ
たったそれだけの"可愛い"が
あたしにとっては魔法のようだった
『そ…んな///』
すると、斉藤は微笑したのだ
「姫ちゃん、困った顔からは卒業したのか?」
『え…?』
「笑顔、すっげぇ似合ってる」
斉藤はそっと姫の頬を撫でた
「…可愛い」
『…///』
…狂う
「大志にキスしてもらえねぇなら、オレがしてやろうか?」
『え///』
斉藤は姫の顎を掴むと、親指で下唇に触れた
『だっ…ダメですよ、そんなの…!!///』
「"ダメ"?
この前"抱いて"って言ったのはどこのどいつだ?」
耳元で囁かれると、ゾクゾクとした
…狂ってしまう
『あの時は…あの時で…
今は今です、ダメなもんはダメです…///』
「何だそれ、大人をからかってんのか?」
『えっ、そんなつもりは…』
斉藤はニヤッと笑うと、唇を近づけた
「そんな悪い子には、お仕置きだ」