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All Arounder

第4章 A Detective’s Son





大志と井上は、早速依頼人の家に向かった



「あら、あなた方は?」


インターホンを鳴らし、出てきたのは若い女性…

さっきの依頼人の娘さんだろう


「突然すいません、あなたのお母様から下着泥棒の件について頼まれているものです」


大志は礼儀正しくペコッと頭を下げる


なんせ一応、客の前だからな




「あ…母に聞いております、えっと…」



「あ、お構いなく。
ただ…今回の件で少し詳しく教えていただけますか?」



家に上がってもらおうと扉を大きく開ける娘さんに
大志は尋ねた



「…母からどこまで聞いていらっしゃるか…毎週のように下着を盗まれているんですが…」



「毎週!!?」


井上はつい大声を出してしまった



「それは定期的にってことっすか?」



「いいえ…週に一度盗まれますが、曜日はバラバラで…」



不安げな表情を浮かべ、首を横に振る娘さん


…そりゃ不安にもなるわな




「それじゃ、洗濯物を干す場所を見せていただけますか?」



「あ、はい。どうぞ」



娘さんは外に出てきて庭へ回った



大志と井上も、そのあとに続く




「ここです」



テラスの上には物干し竿が立てられていた


周りは低い塀に囲まれているだけ


なるほど、これなら簡単に侵入できるな…




「干す場所変えたりしないんですか?」


「…私どうしても、お日様の光を当てたくて…」



娘さんも苦笑するしない






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