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All Arounder

第22章 What Should I Do ?





大志はガッと斉藤を殴った



「あでっ…!!」



一瞬出来た隙をつき、大志は井上に、先に逃げるよう顎でサインする



「…っ」



井上は一瞬躊躇ったが、ロープを引き上げ、絵を抱えてその場を走り去った




「この野郎!!」



上に気を取られていた大志の顔に、斉藤の拳が入った




「っ…!!!」



大志はよろけた足を踏ん張り直した


今のパンチで、普段親子でやっていた喧嘩がどれほど生ぬるいものか
よくわかった


斉藤は今まで一度も、自分に本気で殴り掛かったことはなかったのだと…



しかし、それならこっちも容赦しない



大志も本気で斉藤を殴った





今は親子でも何でもない




敵対すべき存在として…





「この!!」



「…っ!!」



大志はうっかり声を出せない




バキッ


ドカッ




煙幕は強力なもので、なかなか晴れなかった





殴り殴られ、蹴り蹴られ…




大志は脱出方法も考えながら、斉藤を相手した






斉藤の腕が大志の首に伸びた



「くっ…!!」



そのまま押され、壁際に押し当てられる




「こそこそした格好してるわりにゃあ、喧嘩は強ぇんだな…その面拝んでやらぁ!!」



斉藤のもう片方の手は、大志の覆面を掴んだ




―――――!!!




大志は慌てて殴った




「ぐっ…!!」




斉藤の手が緩むと、足で蹴り退け、一気に走った




「待ちやがれ!!」




しかし斉藤はまだ食らいついて来る




「っ…」



しつけぇんだよ

オッサンのくせして…





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